こんにちはIssaです。
まず、あなたに質問です。
■あなたの銀行口座の中身を見せてください。
と言われたらどうしますか?
おそらく、大抵の人はNOと答えるでしょう。
では、次に
■直近1ヶ月であなたが購入したもの全て教えてください。
と言われたらどうしますか?
この問いにもおそらくNOと答えるでしょう。
しかし、これがWeb3ではNOと答えられないのです。
なぜなら、Web3ではウォレットと呼ばれる「全世界の誰でも中身を覗けるお財布」を持つからです。
今回は、そんなWeb3で使用するウォレットがもたらす影響を解説していきます。
こんな方におすすめ
- Web3.0とは何かを知りたい
- Web3.0で使うウォレットとは何かを知りたい
- ウォレットがもたらす影響を知りたい
まず、Web3のウォレットがどのような影響をもたらすのか。
結論から言うと、
「嘘がつけないようになる」
と言うことです。
では、解説していきます。
目次
Web3のウォレット(お財布)とは
ウォレットって「Suica?」「Yahoo!ウォレット?」
Web3で使用するウォレットとは、一言で言うと「ネット上で仮想通貨やNFTを入れるためのお財布」です。
SuicaやYahoo!ウォレットは現金を入れますよね?
しかし、Web3で使用するウォレットは「仮想通貨やNFT」が入り日本円や米ドルなどといった法定通貨は入りません。
現実の世界では、一言でお財布といっても様々なブランドがあります。
現実のお財布ブランド
- Louis Vuitton (ルイ・ヴィトン)
- GUCCI(グッチ)
- PRADA(プラダ)
Web3のお財布(ウォレット)も一緒です。
これ以外にも様々なウォレットが存在しますが、使いやすさと利便性が高いことからMetaMask(メタマスク)が一番人気のウォレットです。
このMetaMask(メタマスク)はNFTやDeFiを扱う際、つまりWeb3では必ず必要になる必須ツールです。
-
【超初心者向け】MetaMask(メタマスク)をわかりやすく解説
続きを見る
全世界の誰もがウォレット(お財布)の中身を見ることができる
Web3のウォレットには仮想通貨やNFTが入ることは理解できたけど、その他にどんな特徴があるのかな?
冒頭でも言った通り、Web3で使用するウォレットは「全世界の誰でも中身を覗けるお財布」であることが特徴です。
これらウォレットには個々にウォレットアドレスというものがついています。
ウォレットアドレスとは、いわば「銀行口座番号」のようなものです。
このウォレットアドレス宛に仮想通貨やNFTを送る・受け取ることができます。
さらにこのウォレットアドレスは、誰かにバレたら危険なものでもなく、一般に公開されています。
このお猿さんが泣いているNFTはBored Ape Yacht ClubというNFTコレクションです。
このNFTの保有者は、超有名なミュージシャンであるジャスティン・ビーバーです。
これは、ジャスティン・ビーバーのウォレット(お財布)の中身です。
赤枠で囲ってあるところは、ジャスティン・ビーバーのウォレット(お財布)に入っているイーサリアム保有量です。
約146ETH入っており、日本円に換算すると約3,400万円です。
僕はジャスティン・ビーバーのウォレットアドレスを違法な手段で入手・閲覧しているわけではありません。
また、このウォレットの中身を見るために必要な技術は全くありません。
誰でも1分で見ることが可能です。
今回は詳しく説明しませんが、他人のウォレット内を見る手順は以下の通り、
他人のウォレット内を見る方法
- 見たい人のウォレットアドレスを見つける(Openseaなどで見つける)
- Etherscan (イーサスキャン)の検索欄でウォレットアドレスを入力
- イーサリアムの保有量、NFTの保有量、取引履歴が見れる
現実でジャスティン・ビーバーのお財布や何かを買った履歴を見るこは不可能ですよね?
しかし、Web3では他人のウォレットの中身を見ることが当たり前であり、常識です。
では、なぜこのような「全世界の誰もが見れるウォレット(お財布)」が誕生したのでしょうか。
それはWeb2.0の問題点が背景にあります。
特定企業が全てを管理しているWeb2.0
まず、こちらの記事をご覧ください。
-
【完全理解】今後の時代を創るWeb3とは(後編)
続きを見る
この記事を見てわかるように僕たちが現在生きているWeb2.0時代は、どんなサービスを利用するにも「ID/パスワードさらにはクレジットカード(銀行口座)情報を入力する時代」です。
これの弊害はなんと言っても個人情報流出です。
GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)がまさにWeb2.0の代表的な巨大企業です。
GAFAMのサービスを利用するためにはGAFAMに個人情報を提供しなければ利用できません。
僕たちはGAFAMに個人情報や財産(YouTubeなどのコンテンツ)を流すことによりGAFAMが儲かっているのです。
つまり、これら特定の巨大企業が情報や財産を管理するということがWeb2.0では当たり前だったです。
特定の企業が全てを管理するWeb2.0時代は個人情報やプライバシーの観点から大きな問題があるということで、新たにできたのがWeb3の概念です。
透明性が特徴のWeb3
Web3ではWeb2.0の問題点をどのように解決するのかな?
Web3では、特定の1つの企業が管理するのではなく「分散的に管理しよう!」という流れになります。
ブロックチェーンの技術はまさにWeb3です。
ブロックチェーンとは
「分散型台帳」とも呼ばれ、取引データや情報を特定の場所に集中することなく分散的に管理し、その取引データを誰もが見れることで不正やデータの改ざんを防ぐ技術のこと。
情報を分散し公平で不正のない世界にするのがWeb3です。
分散的で公平に管理するためには、不正するものがいないように全員が取引を見れるように管理しなければなりません。
つまり、「透明性の確保」をしなければなりません。
Web3では透明性が確保されていることが求められるのです。
なのでWeb3で使用するウォレットの中身が誰でも見れる理由は、この「透明性の確保」という理念からきているのです。
Web3のウォレットがもたらす影響
今後、透明性があるWeb3のウォレットがもたらす影響は、
「嘘がつけなくなる」
ということです。
どういった場面で嘘がつけなくなるかは以下の通り。
嘘がつけなくなる場面
①ネット上での行動
②価値観や思想
③資産
①ネット上での行動
Web2.0でもWeb3でも、その人が現実で何をしているのかを見ることはできません。
しかし、ネット上での行動はすぐに分かるようになります。
あなたがとのような取引をし、どのような契約を結んでいるのかはウォレットを除けば一目瞭然です。
僕はよく、Twitterでの発言とその人のウォレット内に相違がある人を目にします。
「NFTはコレクションなので一切売りません!金儲けではありません!」
とTwitterで言いながら、ウォレット内を確認するとかなりのNFTを過去に売っていたり、安く買ったNFTをとんでもない値段をつけて売りに出していたりと…
※誤解を生まないためにも補足しておきますが、転売が悪いわけではありません。
NFTは転売して利益を出せるものですし、そこにNFTの魅力もあります。
しかし、発言と行動が一致していないという点が問題です。
しかも、それはウォレットを見ればすぐバレます。
つまり、Web3では発言の裏付けがウォレットによって保証されるということです。
Web3=論より証拠、口より行動
となります。
まず1つ目の、ウォレットが与える影響は「あなたのネット上での行動はウォレットで証明される」ということです。
②価値観や思想
あなたのウォレット内を見ればどのような価値観や思想を持っているかわかります。
例えば一人のクリエイターの作品が9割を占めるウォレットであればそのクリエイターを心から応援している人ということがわかります。
例えばフリーミント(無料配布)で手に入れたNFTをすぐ転売する人はNFTは金銭的利益を生み出す投資として考えている人ということがわかります。
このように、誰もが見れるウォレットが存在することにより一人一人の価値観や思想が分かることがあります。
さらに今後はどのようなNFTを持つかによってあなたの価値が決まる時代がきます。
現在、NFT市場は黎明期の時代なのでNFTを持っているだけで価値がつきますが、今後はNFTを持つことが当たり前の時代になっていきます。
その中で、イケてるNFTを保有している人とダサいNFTを保有している人が分かれ、イケてるNFTを保有することが一つのステータスにもなっていくでしょう。
その人によってウォレット内は違く、嘘偽りのない価値観や思想が浮き彫りになってしまうのも、透明性があるウォレットの影響です。
③資産
資産も嘘はつけません。
正確に言うと、その人の全ての資産額は分かることはありませんが資産が多いかどうかはわかります。
先ほど紹介したジャスティン・ビーバーアートが保有する「Bored Ape Yacht Club」は安くても、78ETH(約2,000万円弱)はします。
1つのアートが2,000万円もする「Bored Ape Yacht Club」を買う人はどんな人でしょうか?
みなさんお分かりのとおり、お金持ちです。
このように、ウォレット内にあるものでその人の資産の大小がわかります。
Web3では正直に生きれる
ここまで、Web3とは何か?からWeb3のウォレットがもたらす影響まで解説してきました。
最後にWeb3では素の自分を出せる場所と言う話を少しします。
ここまでの解説の通り、Web3では透明の確保が重要です。
この透明性の影響でWeb3では「嘘がつけない・猫かぶれない」という点で「生きにくい世界」ができてしまうといった懸念もされているようです。
しかし、僕はそうは思いません。
なぜなら「素の自分を出せる絶好の世界」だからです。
Web3では基本匿名です。
どのコミュニティの所属しても誰かと契約(売買)するときもあなたの本名・住所・職業・電話番号は公表しなくていいのです。
これって素の自分を出せる世界だと思いませんか?
僕は現実世界だと、人の目を気にして引っ込み思案で積極性に欠ける部分がありますが、Web3の世界では人の目というものがありません。
なぜなら僕はどこの誰かを公表しておらず匿名で活動しているからです。
さらに、僕を見る周りの人も匿名でその人もどこの誰か分からないから人の目というものがないのです。
匿名で活動すると言うことは良い意味で素の自分を出せると言うことです。
透明性が特徴のWeb3は、嘘がつけないので開き直って正直に素の自分を出せる最高の場所と言うことをみなさんにも体感してほしいです。